Home | 学芸 | 108号 | 巻頭言      

学芸 平成21年7月/第108号 

●巻頭言●

理事長本部・支部の活性化は「若手教員の育成」から




理事長 加 藤 正 克 

 さる六月六日、母校キャンパスにある芸術館で本会の総会が開催された。議事の中で二十一年度役員選出があり、役員推薦委員長からの推薦・出席者の承認を受け、前任の須山弘一理事長の後の第十六代理事長に就任することになった。
 くしくも東京学芸大学創立六十周年という節目の年に、社団法人東京学芸大学同窓会(会名変更後五十六周年)の歴史と伝統のある会の代表を務めさせていただくことになり、光栄であると同時に責任の重さに身の引き締まる思いである。私は、十一代早川昌秀理事長の指名で調査部長を、十二代佐藤倫則理事長・十三代安藤駿英理事長の下で総務部長を、十四代吉野尚也理事長・十五代須山弘一理事長の下で副理事長として合計十年間、役員の仕事をさせていただいた。歴代理事長は「本部の活性化は支部の活性化から」 「支部の活性化は若手の育成から」を理念として掲げられてきた。学習指導要領が改訂され、移行期を経て小学校が平成二十三年から、中学校・高等学校も順次完全実施されていくという変化の激しい時代であるが、私も「支部の活性化・若手の育成」を受け継ぎ、三十五人の理事の英知を結集して会の充実・発展に力を尽くしたいと考えている。
 さて、 「教師は一日にしてならず」 という。大学を卒業し免許を取得、採用されただけでは一人前の教育専門職にはなれない。絶え間ざる研修と修養を積み重ねることにより、少しずつプロと言われる教師に近づいていくのである。
「人は人によって人になる」 これは有名なカントの言葉である。 「人は教育によって人間になる」と置き替えてみると、教育基本法第一条の 「教育の目的」 に示されているように、教育の重要性が理解できる。教師という仕事は、まさに 「人格の完成」 に携わる教育の専門家(プロ)として、重要で崇高な任務を負っているのである。誇りと責任を持って日々の教育に取り組みたいものである。
 かつては 「東京の教育は東京学芸大学出身の我々が担う」 という気概をもって東京都の教員となった同窓生が多かった。これは、好むと好まざるにかかわらず、先輩から後輩へと脈々と受け継がれてきたDNAなのである。ところで、今の東京学芸大学の現状を見るにつけ、厳しい社会の変化に対応する必要性は認めつつも、教養系(ゼロ免)の学生が四割を占める状況について憂える声は少なくない。ここにきて国立大学法人東京学芸大学は、募集定員の見直し・修正をはかるそうである。教育系の定員を百四十名増員(教養系は減員)するという方向は、教員養成大学として当然のことであるが歓迎したい。
 団塊の世代の大量退職に伴う新規教員の大量採用時代にあって、東京学芸大学学生の東京都教員採用二次面接試験の合格率が芳しくないという現実がある。この課題を解決するために 「面接指導」 の充実・徹底を図る事が急務である。わが同窓会としても、教員志望者向けのテキスト 「子獅子」 の発行や、採用試験に関する論文添削及び面接練習に積極的に協力しているところである。大学当局並びに辟雍会(東京学芸大学全国同窓会)との連携・協力を更に深めながら 「後輩の育成」 にも寄与したいと考えている。




前理事長東京学芸大学同窓会の絆よ 永遠に




前理事長 須 山 弘 一 

 ありがとうございました。去る六月六日、思い出多き母校、東京学芸大学の芸術館において記載されました平成二十一年度総会において承認を得ました次期の理事長・副理事長・理事・監事の方々に、本会のバトンを渡し、更なる発展を依頼することができました。正直なところ、重い荷を下ろした感じです。
 私が東京学芸大学との縁を得ましたのは、目黒区立下目黒小学校五年生のときでした。担任になられた今は亡き松澤慶造先生に、どうしたら小学校の先生に成れるのかと尋ねました。青山師範を卒業していた慶造先生は「学芸大学へ行けばいい」と言われました。私は東京学芸大学附属世田谷中学校に入学して、附属高等学校へ進み、小学校教員に成るために東京学芸大学に入学したのでした。正直、大学のときが一番勉強したと自分では思っています。
 初めての教員生活。同窓の一年先輩から体育指導を通して児童の集団指導の仕方、卓球、野球や保護者との付き合い方、酒の飲み方を教わりました。八年先輩からは理科主任の仕事と心得を学びました。担任時代の十七年間、学級経営と校内研究、理科指導法の研究に明け暮れていました。東京都の研究員・開発委員、都研出の研究生等をさせて頂けましたのも、同窓の先輩方の引き立てがきっと有ったのだろうと感謝しております。その後、学級から離されて教育委員会の方向へ異動させられて長い時間が経ってしまいました。これについても、きっと、同窓の方々の応援があったのだろうと考えています。定年までの五年を残して学校へ戻れたときの四月一日、秋山育也先生がわざわざ赴任校までお祝いに来て下さいました。大感激でありました。その後、故高橋壮之先生・田中康雄先生・故早川昌秀先生のご推薦が有ってのことと存じますが、佐藤倫則理事長のとき同窓会の副理事長をせよと誘っていただきました。そして、安藤駿英理事長・吉野尚也理事長に副理事長として仕事をさせていただき、同窓会がいかに後輩の人生に対して真剣に応援をし、佳き教育者と成り、佳き教育者で在り続けるよう支援していることを痛感しました。私自身も、支部の総会・研修会等にお招きをいただき、半数以上の支部長先生方から励ましの年賀状をいただき、多くの人生の師と知り合わせていただきました。
 現在は公益法人制度改革の移行期間であります。平成二十四年度には私達の同窓会も態度を決めなければなりません。課題ばかり残した二年間でしたが、何とか大役を務めることができましたのは、顧問はじめ役員の皆様のご支援と若い先生方を支えて支部活動を活性して下さった支部長はじめ全ての会員の皆様のご助力のお陰です。心から感謝申し上げます。
 私は東京学芸大学同窓会の絆は永遠であると信じています。本当に有り難うございました。



Home | 学芸 | 108号 | 巻頭言