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●巻頭言● |
母校の創立六十周年に関して
理事長 加 藤 正 克
十月十四日、学士会館において『東京学芸大学創立六十周年』の記念式典・記念フォーラム・記念祝賀会が開催されました。本会からは、歴代理事長の秋山育也先生、安藤駿英先生、吉野尚也先生、須山弘一先生並びに私の五名が招かれ、出席させていただきました。第一部の記念式典では、鷲山恭彦学長のあいさつ、来賓として文部科学省・東京都教育委員会・小金井市長の祝辞がありました。第二部の記念フォーラムでは、寺島実郎氏の基調講演のあと、村松泰子副学長のコーディネーターで、藤原和博氏・佐藤郡衛氏・吉武博通氏・早川信夫氏がパネラーのパネルディスカッションが行われました。第三部の記念祝賀会では、蓮見音彦元学長・長谷川貞夫辟雍会(東京学芸大学全国同窓会)会長ならびに現理事長ということで私が「祝辞」を述べる機会を得ました。その大要は、
「社団法人東京学芸大学同窓会を代表し、お祝いの言葉を述べさせていただく。六十年は人間でいえば還暦に当たり、誠におめでたいことである。東京学芸大学に学んだ者として、心より嬉しく思っている。同窓生は東京学芸大学を卒業したことに誇りを持ち、それぞれの立場で日本はもとより世界で活躍をしている。これも歴代学長先生をはじめご指導いただいた諸先生方の御蔭と、改めて感謝申し上げたい。…これまでの六十年の歴史と伝統を守るとともに、これからの未来に対応した日本の教育を担う人材育成にご尽力くださることを心より願っている。…大学あっての同窓会を肝に銘じ、同窓生一同は今後も母校を応援して参りたい…。 」でした。
乾杯の後、文部科学副大臣も駆けつけてくださり、和やかな雰囲気の中で祝賀(懇親・懇談)の会となりました。
東京学芸大学は、昭和二十四年に創立されて以来、六万人以上の卒業生を輩出してきました。また、平成十六年に国立大学法人となってからは、様々な新たな課題の解決や諸改革に努めて来られました。また同十五年十一月に、辟雍会(東京学芸大学全国同窓会)が設立され、我が同窓会もその節々で大学・辟雍会に対し出来る限りの連携・協力に努めて来ました。(辟雍会の機関紙を参照)
現在、大学から二つの調査の依頼を受け、協力をしています。一つ目は、東京学芸大学教員養成カリキュラム開発研究センターのプロジェクト「教員養成カリキュラムの検証」〜創成期の本学卒業生に対するインタビュー調査をもとに〜で、本学創立六十周年の節目に、本学の原点とこれまでの歩みを振り返り、その生活史を後世に伝え教員養成教育の意味を再確認するというものです。二つ目は、文部科学省の「平成二十一年度教員の資質能力追跡調査事業」です。東京都小学校教員歴五年目となる本学卒業生を対象に、在学当時の履修内容やその他の活動歴などと、現在の教員としての資質能力がどのように関連しているかについて、東京都教育委員会と連携して実証的に調査分析を行い、質の高い教員養成を推進する新カリキュラムの運用等に反映させるというものです。前者は創成期の頃の事情に詳しい石郷岡二郎先生、後者は本会理事の萱野政徳組織部長に窓口になっていただいております。
政権交代がありました。教育界にも民主党「マニフェスト」の風が吹き荒れていますが、真の教育の充実を目指して参りましょう。
緑豊かな母校に集う
副理事長 臼 木 信 子
九月十二日、昭和四十五年三月卒業の体育科ABD類合同の同期会を母校学芸大学生協「むさしのホール」で開催しました。卒業して四十年、退職をして二年目。何度か同期会はしてきましたが、三十二名の参加と今までになく多く、地方からの上京者もあり、懐かしいひと時を母校で過ごすことができました。
午後四時からの開始だったのですが、幹事なので早めに行ってみると、クラブの練習場だった大体育館前に何人かが集まっていました。ケヤキや松の木が大きな緑のトンネルを作り、木々の幹の太さに、四十年の時の流れを感じました。新しく建設された建物も多く、見違えるように整備された施設が木々の緑にとてもよく映えます。こんなに緑豊かな母校だったのだと改めて環境の良さを感じました。
卒業以来初めての参加の友達もいて、思い出話に時の経つのも忘れ、退職して第二の人生を元気に歩んでいる友のそれぞれの姿に、思い切って計画をしてよかったと思いました。東京学芸大学創立六十周年の記念の年に、大学を会場に同期会を開けたのは、母校に足を運ぶよい機会となり、辟雍会の事務局の方々にもお世話になりました。
十月三十日、「二○○九年第十一回東京学芸大学ホームカミングデー」が大学と辟雍会(東京学芸大学全国同窓会)の主催で開催されました。本社団法人東京学芸大学同窓会から、辟雍会の理事として、私と高橋総務部長・萱野組織部長が運営に携わっています。
今年は、創立六十周年・創其百三十六年記念事業として、シンポジウム「ものづくりの”こころ”を子どもたちに」と学芸ブレザー・フィルハーモニカーのファミリーコンサートが開催されました。学芸キャンパス・ソングの入賞作品の発表もあり、芸術館ホールでの充実した内容のあるものでした。ただ学生の参加者が少なく、全国代表者会議の出席者は勿論、社団法人学芸大学同窓会からも、もう少し参加ができるよう広報の方法を考えていければと思っています。小金井祭も賑やかに、学生達が工夫した催しを実施していました。子ども達の参加も多く、家族で楽しんでいる様子も見られました。
四季を味わえる自然に恵まれた広いキャンパスは、子ども達の学習環境にも最適で、校外学習の場としても、教育活動に生かせます。
是非一度、緑豊かな母校に足を運び同窓の絆を深めてみてください。
頑張るよりはいい加減
副理事長 酒 井 晴 夫
先日、ある地区の校長先生から最近の教員の気になる話を聞く機会がありました。
四月に採用された教員が五月から休んで休職に入ったというのです。希望に燃えて教員生活を始めてまだ一ヶ月しかたっていないのに、休みに追い込まれてしまった原因は何だったのでしょうか。
増加する無理難題を要求する保護者への対応、日々の教材研究、雑務の増加等、最近の教員の多忙さは体を蝕むほどひどくなっているといえます。
文部科学省の調査によれば、教員は一日当たり三時間以上もの残業をしています。
本年度から新学習指導要領の移行期に入り、授業時間の増加等多忙さは増すばかりです。しかし、多くの教員は多忙であっても自分の努力が子どもたちや保護者から、そして職場の同僚から認められ評価されていると実感することができているからこそ、その多忙さを乗り切っていると思うのです。
はたしてこれでよいのでしょうか。多くの教育関係団体は、国に教育条件の改善、なかんずく教員の増加を要求していますが、財政事情の厳しいなか、実現は困難をきたしています。
このような厳しい状況の中では、せめて精神的に落ち込むことなく、教員生活をしていくすべを持つことが大切です。教員はまじめな性格の人が多いからこそ、困難な状況に遭遇すると、何とが自分で解決しようと必死になるものです。まじめさ故に、より泥沼にはまってしまうと考えられます。
はたして、まじめに頑張ることは本当に良いことといえるのでしょうか。大いに疑問が残るところです。
学校に行きたいのに行くことができない不登校の子どもに、「頑張れ」と激励したつもりが、「これ以上なにを頑張ればいいの」と、その子どもを追い込んでしまうことがあると言われます。私たち教員はややもすると「頑張る(れ)」ということばを肯定的な表現で、「いい加減」ということばを否定的な表現として使うことが多いです。
しかし時には発想を転換し、加減をコントロールする「いい加減」の気持ちを持つことができるならば、どんなにか精神的に楽になり、職務に打ち込むことができるのではないでしょうか。
「頑張るよりはいい加減」とね。

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