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学芸 平成22年3月/第110号 

●巻頭言●

理事長獅子の星座の旗の下、繋がりの意識を高めよう




理事長 加 藤 正 克 

 平成22年(西暦2010年)を迎え、1月22日(金曜日)、社団法人東京学芸大学同窓会新年祝賀会を、フロラシオン青山において開催しました。 詳細は本号特集をご覧いただくとしまして、私が嬉しく思いましたことの第一は、ここ最近は四百名前後と減少傾向のありました参加者(名簿登載者)が、五百五十名を超えたということです。 ご来賓の方々のご厚情はもとより、各支部長先生方の会員へのPR・お声がけの賜物と心より感謝しお礼申し上げる次第です。 第二には、会場が手狭にもかかわらず、正面の横看板の下に国旗と同窓会旗が掲げられたことです。 同窓会旗は昨年6月の総会で初お披露目しましたが、『学生歌』にもあります「獅子の星座の旗の下…」に相応しい場の設定になったと感慨深いものがあります。 本会旗は総務部長が保管し随時貸出をしておりますので、できれば各支部の総会や新年会・懇親会の折に掲揚していただければ幸いに存じます。 同窓生としての意識・絆が高まること請け合いです。 第三には、当日たくさんの先輩・同期・後輩の方々とお会いでき、親しくお話ができたことです。 私たちは、東京学芸大学の同窓生として会を組織しているわけですが、普段はそのことを意識することはほとんどないのではないでしょうか。 同じ学校・区市町村・都に所属し一緒に仕事をしていても、学大同窓生であるとか一水会の会員であるとかを考えることはまずないといえるでしょう。 教育現場においては、何よりも教育目標の具現を目指して、日々の教育を充実させることを第一義に考え、協力し合い知恵を出し合っているのではないかと思います。 そういう意味からも、本部および支部で開催されます新年祝賀会や総会は、東京学芸大学という同じ時間・空間等を共有した者同士が意識して交流・懇親できる特別な場であるといえます。 これからも大事にしていきたいと思っています。支部で行われる総会・歓送迎会・新年会などのご案内をいただきます。 理事長や副理事長は可能な限り出席(都合で代理出席も)するように努めていますので、今後ともお声がけをよろしくお願いいたします。
 大田支部の新春懇親会で、東学大一期生の高山孝氏にお会いする機会がありました。 お話を拝聴する中で「東京学芸大学新聞」や「学大スポーツ」が発行されていることを初めて知りました。 ぜひ見たいと伝えましたら、早速「学大スポーツ」第43号(平成22年1月25日発行)を送ってくださいました。 第86回東京箱根間往復大学駅伝競走の特集でした。 手書きですが、色つきの見出し・カラー写真付きで、読んでいてワクワクする内容でした。 『むさしの広場』欄には、静岡県教育委員会教育長の遠藤亮平先生の「生徒をその気にさせる教師を多く育てるよう、現場を支える環境作りに励んでいます。」や、現在、東学大硬式野球部の鈴木渉監督の「練習時間がないから、グラウンドが悪いから、予算がないから…などの言い訳を言わず、練習に取り組む選手を育てたい。」などの記事が載っていて感動しました。 改めて同窓生として、頑張っている東京学芸大学生を心から応援したいと思いました。
 このような情報がございましたら、ぜひお寄せください。 竹早教員保育士養成所(小石川)の同窓会室に保管させていただきます。




爽やかに悠々と

副理事長 齊 藤 光 一 

 ここ数年、様々な分野において「変化」と「スピード」という言葉がよく使われてきたと思います。
 教育界においても、ここ数年は大きな変化の波がありました。
 国レベルでは、教育基本法の改正に始まり、学校教育法など教育関連の一連の法改正も行われ、現在、それらの法令に基づく見直しが着々と進行しています。 政権交代により、施策の具体化の動向が見えにくいこともありますが、「変化」は確実に進行していくと考えられます。
 一方、東京都の教育施策は、ここ数年来、国の動向を先取りし、具体化した形で打ち出されており、それらは「変化」と「スピード」への同時対応が求められるものになっています。
 各校種において業績評価の本人開示などの人事考課制度のより緻密化が図られ、また、主幹教諭、主任教諭など、教員の職の分化による校内運営体制の整備が求められています。
 さらに、再任用・再雇用制度の見直しによる非常勤教員制度が導入され、団塊の世代の定年退職後の職の保障を図るなど、教員の処遇や異動、雇用形態全体にかかわる改革が確実に進行しています。
 今、まさに歴史的な転換点に身を置いており、大きな変化のうねりの中で的確に対応していくことが求められています。
 今、学校では、生命を軽視する風潮の蔓延、いじめ、規範意識や学習意欲の低下、保護者等の多様な要望などへの対応、学校の安全管理など、細心の注意と的確な決断が求められる場面が、日に日に増加していると思います。
 また、保護者や都民から信頼される学校づくりを進めるためには、教育課程を適正に実施することはもとより、授業改善・授業研究により指導力を向上させて、児童・生徒に「確かな学力」を身につけさせること、同時に、学校の取り組みを積極的に公開・説明して保護者や地域住民の方々、関係諸機関との協力・連携を深めることなど、どれもが急務となっています。
 今、さまざまの改革が進行中であり、「形」もまだ混沌とした部分が残っています。 「魂」である私たちの意識は、制度の整備に伴って改革が進んできているとの手応えがあります。
 「息長く、爽やかに」を合い言葉に、この変化のうねりをしっかり受けとめ、悠々と日々の教育活動に取り組んでいこうではありませんか。




教育の原点に立ち戻って!

副理事長 馬 場 俊 一 

 世界中が待ち望んでいた冬の祭典“バンクーバー冬季オリンピック”が開幕しました。 心わくわくし、テレビにくぎづけの日が続きそうです。
 そして開会式翌日に始まったフリースタイルスキー女子モーグル。 日本代表4選手の活躍は、開幕2日目から感動と勇気を与えてくれるものでした。 特に、見事4位入賞を果たした上村愛子選手のレース後のインタビューで流した涙は、とても印象的でした。
 日本中の期待と言う大きなプレッシャーにも笑顔を絶やさない上村選手。 メダルを取れなかった悔しさを押さえながら語ったその言葉は、誠実さと優しさを物語っているように思えました。 これまでの自分を支えてくれた多くの人々に感謝するとともに、ここまで応援し支えてくれた母への思いは、見ている私たちも涙するものでした。
 上村選手は「お母さんの子どもに生まれてよかった。」そして母は「愛子の母になれてよかった。」・・ 母の手一つで世界屈指のトップアスリートに、そして心優しい人間に育て上げたその子育ては、私たち教育に携わるものにとってとても興味があることではないでしょうか。 そこには、厳しさと不断の温かさをもって育ててきた母親の姿を垣間見る思いです。
 今、学校では、小一プロブレムなどと呼ばれる状況が話題になっています。 そして、それとともに幼児期の教育の重要性が叫ばれています。 言いかえれば、就学前の子どもの教育をもう一度しっかり考えようということだと思います。 特に家庭教育の中ではぐくんでいくべきことが、やや失われてきているのではないかと言うことです。 これはまさに教育の原点に立ち返ることではないでしょうか。
 幼児期の時にこそ、人としてやってはいけないこと、だめなものはだめとしっかりと、時には厳しく教え育てるること・・それは理屈などいりません。 人として絶対にいけないのだと言うことです。 これを教えることこそ人としての心を育てることにつながるとともに、優しさが芽生えてくるのではないかと思っています。
 これは学校教育でも同じです。 だめなことは“だめ”と指導し、フォローしていく教育が必要であると思っています。 大きな可能性を秘めた子どもたちの大きな夢を実現させるためにも・・ 「教育の原点に立ち戻って!」・・上村選手の母と子から学ばせてもらった気がします。



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